相続登記の必要書類
コラム
不動産を相続した場合、相続人へ名義変更をする相続登記を行います。その際の必要書類と入手方法は以下のとおりです。
コラム
不動産を相続した場合、相続人へ名義変更をする相続登記を行います。その際の必要書類と入手方法は以下のとおりです。
「法定相続」とは法律によって定められた各共同相続人の相続分(法定相続分)とおりに相続登記することです。
(1)相続人が数人いる場合の法定相続分は次のようになります。
〇子と配偶者が相続人であるとき
子及び配偶者の相続分は、各2分の1
〇配偶者と直系尊属が相続人であるとき
配偶者の相続分は3分の2、直系尊属の相続分は3分の1
〇配偶書及び兄弟姉妹が相続人であるとき
配偶者の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1
(2)法定相続による相続登記の必要書類
〇被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等(除籍・改製原戸籍)
戸籍謄本等は本籍地の市区町村役場で取得します。死亡時の戸籍から遡って出生時までの戸籍等を揃えます。
被相続人の中には、転居や婚姻等により転籍していることもあり、その場合は転籍先の市区町村役場で取得することになります。
〇被相続人の除票
被相続人の住所地の市区町村役場で取得します。
〇相続人全員の戸籍謄本及び住民票
相続人の住所地の市区町村役場で取得します。
〇不動産の固定資産評価証明書
不動産所在地の市区町村役場、都税事務所で取得できます。評価証明書に代えて納税通知書の原本と写しでもかまいません。
「遺産分割」とは、相続人全員で協議し相続することです。例えば、A不動産は甲に、B不動産は乙にというように共同相続人に分配することを遺産分割といいます。
遺産分割には次の3つの方法があります。
ア 遺言書による分割の指定、イ 共同相続人全員の協議による分割、ウ 家庭裁判所による分割
(ア)遺言書による分割の場合の必要書類
法定相続の場合の①②、相続人の戸籍謄本及び住民票、法定相続の場合の④のに加えて、遺言書が必要となります。入手方法は法定相続の場合と同様です。
(イ)相続人全員の協議による場合
法定相続による場合の①から④までの書類に加えて、相続人全員で協議して決定した内容を証明する「遺産分割協議書」及び印鑑証明書が必要です。協議書には相続人全員が実印を押印します。印鑑証明書は印鑑登録してある市区長村役場で取得します。
(ウ)家庭裁判所による分割の場合
協議が調わないか、協議することができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができます。家庭裁判所の調停または審判に基づいて分割する場合は、調停調書または審判書が必要となります。これらの書類は家庭裁判所で取得します。
相続登記には期限はありません。従って、不動産を相続しても必ずしも相続登記をする必要はありません。しかし、そのまま放置しておくと、相続人が増え、権利関係が複雑になり、いずれ社会問題となっている所有者不明土地や空き家となってしまいます。
このような事態を避けるためには、相続が発生した場合、すみやかに相続登記手続きをすることをおすすめします。